【解説/試算】ソニー銀行 ANAマイル付き外貨定期預金のおトクさ

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2019年11月、ソニー銀行が「ANAマイル付き外貨定期預金」を発表しました

外貨建ての定期預金を預け入れるとマイルが利息のように貯まるというものです

この発表を受けてどんな商品か気になる人が多いと思います

そんな人向けにこの記事では次のような質問に答えます

ANAマイル外貨建て定期預金についての疑問
  • どんな商品なの?通常の外貨預金、外貨定期預金とどんな違いがあるの?
  • どのくらいANAのマイルが貯まるの?
  • これってお得なの?

外貨預金は元本補償があるものではありません。投資にあたっては、必ず自身で一次情報を参照し、内容を理解、判断の上、自己の責任のもと実施してください。本サイトに記載の内容は、その正確性、最新性を補償するものではなく、ご自身の投資により被るいかなる損害についても責任を負うものではありません。

結論

結論から言うとANAのマイルを活用する人にとってはとても魅力的な商品です

まずメリットは

  • 1マイルあたり約1.77円(2019年12月時点試算)という低い単価で取得できる
  • 支払いが発生しない(正確には入ってくるはずのキャッシュが減る)
  • お金があればあるほど沢山のマイルを手にできる
  • 手間がかからない(自分の時間がとられない)

その一方でデメリットは、

  • 利用可能なマイル数を貯めるには一定のお金が必要
  • 為替レートによっては元本割れのリスクがある

となります。それでは順を追って見ていきましょう。

ANAマイル付き外貨定期預金の商品の概要

ソニー銀行には、通常の外貨預金、外貨定期預金があります。それらとの違いは何でしょうか?

それは、一言で言うと、このANAマイル付き外貨定期預金は、マイルをもらう分だけ定期預金の金利が下がると言うことです。つまり下がった金利のお金でマイルを買っていることと同じ意味になります。

次に、このANAマイル付き外貨定期預金を購入するには、「ANAマイレージクラブ / Sony Bank WALLET」を保有していることが条件です

このSony Bank WALLETはデビットカードとしても利用でき、国内外での買い物や、海外でATMから現地通貨を引き出すことにも使えますし、そのすごいところは、外貨口座から直接引き出しされるという点です。

ソニー銀行には、ANAと提携していない通常のSony Bank WALLETもありますが、それだとANAマイル付き外貨定期預金を申し込むことはできません

既に通常のソニーバンクウォレットのカードを持っている人は切り替えが必要です。そのためには、一度、現在のウォレットを解約して、改めて、ANA提携のウォレットを申し込みする必要があります

また、ソニー銀行の優待プログラムで、一定金額以上の外貨預金、投資信託を保有していると、Sony Bank WALLETのキャッシュバック率が最大4倍になったり、米ドルの為替コストが片道4銭になったりしますので、マイル獲得のコストがさらに抑えられます

ちなみに、キャンペーンで、ソニー銀行の口座開設日から翌々月末日までの期間は、外貨預金における円での外貨購入時の為替コストが無料で0円とのことです。なので、まだ口座を持っていない方は、開設してすぐに外貨取引をするとお得ですね。

メリット1 → ANA1マイルあたりの取得価格が安い(最低は約1.77円(2019年12月試算時点))

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まず、1マイルあたりの想定単価についてです

これを出すために、1)通常の外貨の定期預金の得られる利息と、2)ANAマイル付き外貨定期預金で得られる利息+マイル、を比較してみましょう

【解説/試算】ソニー銀行 ANAマイル外貨定期預金のおトクさ

通常の外貨建て定期預金の場合、アメリカドルの1年の預入期間は金利が1.45%になります。例えば10,000円をアメリカドルに変えて1年間間定期預金にし、満期時点で日本円に戻した場合、最終的には日本円で10,087円になります

これは日本円からアメリカドルへの為替レートの手数料と利息に発生する税金(20.32%)と米国ドルを日本円に戻す際の為替手数料の手数料等を加味した金額です

一方でANAマイル付き外貨建て定期預金の場合、同じようにアメリカドルの1年間の預入の金利は0.1%になり、ANAのマイルが1年で100ドル当たり67マイル付与されます。この場合、上記と同じように10,000円をアメリカドルに変えて1年間マイル付き外貨定期預金にし、満期時点で日本円に戻した場合、最終的には日本円で9,980円になり、プラス、ANAのマイルが67マイル貯まるということになります

これらを比較すると、67マイルを入手するために諦めた金額が、日本円で107円となります。

つまり1マイルあたり1.78円と言う結果になります

ANA1マイルあたりこの金額は、他のバイマイル系のコストに比べると相当安くなるのではないでしょうか。ANAマイルを実質購入できる手段の代表的な方法として、マリオットボンヴォイのポイント購入でANAマイルに交換した場合、一般的にはマイル単価が2.5円くらいのようです

なお、ソニー銀行のANAマイル付き外貨定期預金でのマイル単価は、日本円と外貨との間の為替レート、外貨での金利、外貨での付与されるマイル数によって変わってきます

カメラパパの試算ではマイル単価が一番低いのは米国ドル6ヶ月の約1.77円、一番高い単価で中国元3ヶ月の約8.16円となりました

メリット2 → ”支払い”を伴わない

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そして次のメリットは、支払いが発生しない、という点です

正確には、入ってくるはずのキャッシュが減るので、キャッシュアウトと捉えるのが正しいのですが、バイマイル、ポイント購入のように、お財布から払う訳ではありません

航空会社によってはバイマイルといって、マイルそのものを購入することができる会社もあります

ANAの場合直接的にマイルを購入することができませんが、例えば、マリオットボンヴォイのポイントを購入してそれをANAマイルに交換することで間接的に購入することもできます。この場合、ポイントを購入することになるため、当然手元からお金が減ります

一方でこのソニーの商品のように定期預金の利息として付与されるとなると、お金が減ると言う感覚は正直少ないです。そういう点で、他にはないとても斬新な商品だということができます。

メリット3 → お金があればあるほど多くのマイルを手にできる

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さらに、もう一つこの商品ならではのメリットが、お金があればあるほど多くのマイルを手にすることができる、という点です

極端なケースとして、10万ドル(約1100万円相当)分を1年間預け入れると、1年で67000マイルが貯まることになります

これは、ハワイを往復してお釣りがくるほどのマイル数です

他のマイル獲得手段では手元に資金があったとしても、飛行機に乗る時間を確保したり、ポイ活の案件数が限られていたり、と、稼げるマイル数は、他の制約条件の影響を受けます。もうあらかたのクレジットカードを発行したとか、ネスレを申し込み済み、など、利用できる案件がなくなるようなことがありません。

その点、この、ANAマイル付き外貨建て定期預金は、制約条件が資金力のみ、という他にない仕組みだと言えます

メリット4 → 手間・時間が取られない(お金がマイルを稼いでくれる)

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加えて、4つ目のメリット、それは、楽ということです

一度預けてしまえば、あとは特にすることはありません。満期日になったらANAマイルが付与されるだけです

ポイントサイトで獲得したマイルを様々なルートを経由してANAマイルに移行するのと比較すると手間、時間がとられませんし、承認されないリスクや、期限切れになるリスクを気にする必要もありませんね

デメリット1 → 利用可能なマイル数を稼ぐには相当の金額が必要

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デメリットはもちろんあります。まず、使える分マイル数を貯めようとすると、それなりの金額が必要です

ANAの国内線は5000マイルから、国際線は12000マイルから利用できます。例えば、実用的な路線を考えると、東京ー沖縄が7000から10500マイル、東京ーホノルルがエコノミーで35000から43000マイルとなっています。

これらのマイル数をANAマイル付き外貨定期預金で賄おうとすると、約1万ドルから6万ドル、日本円にして、110万円から660万円が必要となります

なかなかポンっと出せる金額ではありませんね

逆に言うと、660万円預けっぱなしにしておくと、毎年ハワイにいけるマイルがほぼ自動で貯まるとことになります

デメリット2 → 為替レートによっては元本割れのリスクあり

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さらに、為替レートの影響を受けることで、そもそもの定期預金が日本円で元本割れするリスクがあります

例えば、預入時に日本円からアメリカドルに交換した為替レートより、満期時にアメリカドルから日本円に戻す為替レートが円高になった場合、元本割れのリスクがありますし、そうなると、マイル単価も跳ね上がってしまいます

これに対する予防策としては、そもそも海外で使う予定の外貨を預けておき、海外で買い物するときに、ソニー銀行のデビットカードでアメリカドル建ての口座から直接支払うことでしょうか。これも、正確には、より円高な為替レートで購入できる可能性を捨てていることになるのですが、元々海外での買い物に使う予算をマイル付き外貨定期預金に入れておくことで、買い物予算がマイルを稼いでくれる、と考えることもできます

または、適切な商品があれば、通貨、金額、期間を合わせた外貨売りのオプション、先物を購入することでヘッジが可能かもしれません

ソニー銀行とは

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ソニー銀行はいわゆるネット銀行で、物理的な支店網はなく、インターネットで口座開設、一連の取引を行う銀行です

支店名も本店のみで、ATMは三井住友銀行のATMを利用できます

運営コストを抑えることで振込手数料を低くしたり、金利を高くしたりして利用者を獲得する戦略です

外貨については、外貨への預け入れ時の為替レートが非常に低く、外貨送金、外貨の受け取り、外貨積立、外貨両替レートの優遇など、非常に力を入れています

まとめ

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ANAのマイルを手にする場合いくつか方法がありますが大きくは3つに分かれます

  1. ANAとの飛行機に乗りマイルを稼ぐ
  2. ポイントサイト等でポイントを貯めてANAマイルに交換する
  3. 他のポイントを貯めてそれからANAのマイルに交換する

それぞれの方法にはメリットとデメリットがあります

飛行機に乗る場合は移動と合わせてマイルが貯まること。仕事で乗る場合でも貯まる人が多いでしょう。一方で、飛行機に乗るという時間が取られます。時給ならぬ時マイルで考えると高くはないでしょう。

ポイントサイトの場合は、メリットとしてはキャッシュアウトが少ないこと。一方でデメリットとしては実施可能な案件数が限られておりその分手にできるマイルというのも限られてきます。さらにポイントサイトから最終的にANAのマイルに交換するまでいくつものポイントサイトを経由し、手間と時間がかかります

3つ目の他のポイントから交換する場合も、そもそもそのポイントを貯めるのに一定の時間とある程度の支出が必要な事がデメリットとなります。

ちなみに、ポイ活をしている方は、ソラチカルート閉鎖後のポイ活ルートをまとめた記事をどうぞ

今回のソニー銀行のマイル付き外貨定期預金はこれまでにない第4の方法と言えるでしょう

デメリットとしては一定数のマイルを貯めるにはそれなりの金額を一定の期間預ける必要があり、為替リスクも抱えることになりますが、一方でメリットとしてはお金を預けさえすれば勝手にマイルが貯まることになります

そのため、普段あまり飛行機に乗らない、ポイ活をしている時間がない、日常でポイントも特に貯めていない、といった人で、ある程度資金に余裕があると言う人にとっては手間なくお金がマイルを稼いでくれることになります。

ソニー銀行はかつて日本経済新聞社、日経ヴェリタスが調査した金融機関ランキングで、9年連続で顧客満足度第1位を獲得していました。しかしながらここ最近は他のネット銀行の台頭、もしくは、メガバンクからの攻勢を受けてランキングを落としています

もともと外貨預金の為替レートの手数料が非常に低く抑えられていたり、トラベレックスと提携して外貨両替レートを優遇したり、ANAマイレージクラブ会員向けに住宅ローンでANAのマイルが貯まる商品を開発したりと、非常に特徴がある商品を世に出すことで有名な銀行です。昔からアナとの提携も多いですね。

今回のANAマイル付き外貨的預金というのは、そういった革新性のソニー銀行の面目躍如といったところでしょうか

最後に、投資は必ず自己責任で自己の判断のもとに行ってください

外貨預金は元本補償があるものではありません。投資にあたっては、必ず自身で一次情報を参照し、内容を理解、判断の上、自己の責任のもと実施してください。本サイトに記載の内容は、その正確性、最新性を補償するものではなく、ご自身の投資により被るいかなる損害についても責任を負うものではありません。

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